ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」大阪公演を見に行ってきたレポ

ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」@大阪見てきましたよ!
我らが千葉雄大さん、初のミュージカルです。

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【概要】

1972年に「別冊少女コミック」で発表、少女漫画の枠を超え愛され続けている萩尾望都の伝説的名作「ポーの一族」を舞台化。ミュージカル界を牽引し続ける演出家、小池修一郎が脚本・演出のもと、2018年に宝塚歌劇団花組にて初演され、宝塚歌劇のファンのみならず、多くの原作ファンの期待を集める中での初演となりました。トップスター明日海りお演じる主人公エドガーの原作さながらのビジュアルと巧みな表現力が観客を虜にし、期待に応え大好評を博しました。 この傑作ミュージカルが、3年の時を経て新たに蘇ります。

(チケットぴあより引用)


(ミュージカルにも舞台にも明るくない、千葉雄大さんのオタクが思いのままに書いておりますので話半分で読んでください。感想というよりもちばくんに対してのクソデカ感情の吐露です。今回、ネタバレは極力してないつもりだけど、うっかりいらんこと書いてたらごめんなさい)


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壮大な音楽とともにセットが開き、現れた明日海りおさん演じるエドガーを見て、口をあんぐり開けながら千葉雄大さんのオタクは思いました。




「あかん!!!!!これは…………マジモンのやつや!!!!!!!!」





初めて目にした明日海りおさんは素人でも感覚でわかってしまう、圧倒的オーラの持ち主で。

宝塚がいかに素晴らしいものなのか、オタクをやっていればほっといても耳に入ってくるけど…実際に生で見ると、ほんと…宝石が動いてるみたい。美しさに死角が無い。「宝塚がオタクの終の棲家になる」というのを、感覚で納得させられる感じ。登場してからここまで4秒。早い。




ちょっと待って。この人、ミュージカル初挑戦という触れ込みの人間が対峙していい相手ではないじゃないですか……!!なんてこった!!!!!


いや、明日海りおさんだけじゃないんですよ……
メインキャストだけでなく、素敵なお衣装を着て後ろで舞い踊るモブの皆さんたちの動きが最早モブでは無いわけで……(ボーイズたち、ジャンプの後の滞空時間めっちゃ長いけどどういう仕組み?)
今までお芝居を生で見たことがなかったわけじゃないけどこういう人がたくさん出てくる舞台って見たことなかったって今更気付きます。この日はありがたいことに最前列で見ることが出来て、目の前のオーケストラピットから流れる迫力の生演奏を聞くのも初めて。…………これは…予想よりうんとおおごとです。
開始1分ですでに圧倒されてしまって、脳の処理がおっつきません。「……ユニバの3Dのスパイダーマンに初めて乗った時、こんな感じになったなぁ」とかオーバーヒートした頭でどーでもいいことを考えちゃったりして。


……えっ、てことはこのスパイダーマンみたいなところにちばくんが出てくるの???(スパイダーマン感はないです、わたしの脳の処理の問題です)


ここにいるキャストの皆々様、発声・仕草・目線…どれひとつとっても"舞台での映え"に特化していて、この時点ではまだ姿を見せていない千葉雄大さんのオタクとしてはもう、推しが「ライオンの檻の中に放たれるのを待つ子うさぎ」にしか思えなくなってくるんですよ………ユニバとか言って浮かれてる場合じゃない…改めて言うけど、なんつー仕事受けたんだ、キミは!!!!キリキリキリ(胃痛)


予想以上のこの状況に、わたしの心配ゲージが振り切れてちぎれて飛んでいく始末。ちばくんが出てくるまでの数分間、祈る気持ちで思わず組んだお祈りポーズは力いっぱい組みすぎて爪がくい込んだ跡が残るほど、見ているこちらにも力が入ります。
「(あ〜、初詣で芸事にご利益がある神社に行ったのにちばくんのミュージカル成功を祈願してこなかったじゃん!自分のバカ!)」と変な方向へ思考がねじ曲がりかけた、その瞬間




満を持して、ちばアランの登場です。



立ち上がってスタンディングオベーションしたい気持ちをグッとこらえました。もう…この場所に立ったという事実だけでちばくんを褒め讃えたい想いが溢れてしまう。ああ、ちばくん…ちばくん……!!!


ちばくんが現れる前のたった数分間。
ああ、これはちばくんが映像畑で培ってきた力や持ち前の器用さだけではどうにもならないんだなと……数ヶ月、どれだけ鍛錬を重ねたとて、長年舞台に立ってきた人間とではこの場所での圧倒的な戦闘力の差があること……彼を応援してきたオタクだからこそ分かるじゃないですか……分かってしまうじゃないですか…

でも彼は頭のいい人だから、それも織り込み済みでここに立ってるんだろうなっていうのも分かるんですよね。
その覚悟に、まずはスタンディングオベーション(脳内)ですよ。ちばくんは嫌がるかもしれないけど。過保護なオタクでごめん。



そんな感極まったオタクの前に現れたちばアランの、なんとまぁ可憐で刹那的なこと……!
百戦錬磨の舞台役者たちの間をするりと交わしながら、こちらに目を向けるちばアラン。スッとまっすぐに立つ様はまだまだ青さの残る少年、アランそのものと言ってもいいんじゃないでしょうか。誰も言わなくたって、わたしは言いますよ……君こそアランだと!!!うおォン


そうこうしているうちに、メインテーマ曲「ポーの一族」の歌唱にちばアランも加わります。
会場全体を包み込むような声量で、高らかに歌い上げる明日海りおさんの素晴らしい歌唱に面食らっている場合ではありません。うう…ちばくん……がんばれ!!!(祈)(爪ギュー)



……………
……



…………なかなかどうしてこれさぁ……そりゃ贔屓目なくはないけど…でもかなりいい感じじゃないですか????……いいよ…ちばアランいいよ……!声量あるよ!歌えてるよ!!ちばくん!!!!

ああもうスタオベさせてくれ~~~~!!!(二回目)


小池先生もどこかでちばくんの声を褒めてらしたけれど、ほんとにまず声がいいんですよね。話す声も歌声も。角のない、まあるいやさしい声。好きです。



一幕の初めの方こそ緊張が見えたものの、音に乗らないストリートプレイではエドガーやメリーベルとの溌剌としたやりとりがよかった。後ろ暗いところのないアランの健やかさや未熟さは、妹へのやまない懺悔を抱きながらすでに成熟しているエドガーとの対比でますます引き立っていきます。
アランのソロでも堂々と歌い上げる千葉雄大さんがそこにいて、私の祈りの手のポーズも解けるってもんです。



あー、うん。やっぱり千葉雄大さんはかっこいいわ。(152846339521833回目の気付き)

……知ってたんだけど!心配させるような人じゃないってことはさ!ごめんて!!笑





発表された当時、「アランが男の役者じゃダメ」とか「アランとエドガーは逆の方が自然では?」とか色んな意見を目にしたけど、ちばくんは見事に全部はね返しましたね。かっこよ。
宝塚のトップスターとして舞台に立ってきた明日海りおさんが、長い長い年月を生き続けて達観の境地にあるバンパネラを演じるのが必然であるように、生まれて十数年ぽっちのあどけなさがまだ残る少年を今のちばくんが演じるのも必然なんですよ……!はー、ナイスキャスティング!



千葉雄大さんはサラサラなブロンズの髪の毛にボリュームを蓄えたフリルのブラウスが本当に似合う。体を結構絞ったはずなのに、いわゆるクレしん角度のふくふくほっぺも健在で嬉しい。伊達に奇跡の31歳と呼ばれてないね!


ジェイン役の能條愛未さん、一目見て心のかわい子ちゃん発見アラームがけたたましく鳴り響きました。かわいい〜!出てくる度にジェインうちわを掲げたい気持ちが高まる。あんまり可愛すぎるから経歴調べたら、この子元乃木坂ちゃんなのね…!そりゃかわいいよ!!!
どことなく吉岡里帆ちゃんに似てらして「アランちばと並んだらジェネリックURであ~るが出来るな…並ばないかな……」とか思ってました。(集中して!)


元宝塚の方々や劇団四季の皆さんは、指先一本たりとも気を抜いていないのがわかる。手の上げ下げひとつとっても、そつがなく美しいんですよね。舞台での所作とカメラ前で求められる所作はこんなにも大きく違うんだなぁ…。その点はちばアランもある程度舞台に寄せつつ、あえて完全には寄せきらないようにしているのかなとパンフレットのインタビューを読んで推察。今回は最前で見ることが出来たけど、全景が見渡せる場所から見るとまた違って見えそう。もう一度見に行く予定の名古屋公演は少し後ろの方だから、その違いが見れるのもまた楽しみです。


とはいえ。
これを書いている1月13日夜の時点で、東京・大阪・愛知に緊急事態宣言が出ています。
この先、幕が上がり続ける保障なんてどこにもありません。色んなものを天秤にかけて、今はまだなんとか上演出来ているのだろうなと思います。何とか最後まで幕が上がり続けますように、と祈るしか出来ないのがただただもどかしいです。




大阪に行くまでの数時間、今までずっと何気なく乗っていた電車がとても怖く感じました。現場に到着してもソーシャルディスタンスが充分に取れているとは言えなくて生きた心地がしなかった。いつもに増して徹底した消毒やマスクをしていたけれど…それでも不安です。結果的に何事もなかった二週間後に本当の意味で「見に行って良かった!」ってようやく心からそう思えるんですよね。「命懸けで推しに会いに行く世界線」って字面だけだとなんかかっこよく聞こえるような気もするけど、めちゃくちゃ嫌な世界線だよね……


今回のミュージカルはコロナを理由に見に行くことを諦めた人達がたくさんいると思います。実際、わたしも最前チケットを持っていながらも前日まで行かない方に傾いてたし。
悪いのはコロナなのに「何もこんな時期にやらなくたって」って思いたくなってしまうこの現状。いつもなら「後悔させないから絶対見に行って欲しい!」ってゴリゴリにおすすめしたいけど、色んな事情があって行かない選択をした人達に軽々しく「絶対行った方がいい!」なんて私には言えない。




何をするにもコロナがまとわりついてきて、好きなことも分からなくなってしまった2020年。ちばくんの朗読劇も流れてしまったし、公開予定の映画も延期になって、会いに行けるチャンス自体がないまま迎えた2021年。私は今回、ちばくんが高い壁へと挑む姿を見て本当に本当に勇気づけられました。

世界がどうあれ、ちばくんが諦めないのなら、わたしも色んなことを言い訳にして人生を諦めたくない。ちばくんみたいに大きなことは成し遂げられないかも知れないけど、小さくてもいいから目標を持ちたい。見渡せば混沌としているこの世界で、そう思わせてくれた推しを本当に誇りに思います。

きっとここから何公演も進化を重ねて、ちばくんだけのアランを見せてくれるんでしょう。最後まで駆け抜けられますように、毎日祈りたいと思います。

もちろん、十字はきらずに。



「「「「「「



ここまで読んでくださったあなた!
ゴシックミュージカル「ポーの一族」、興味があるのに見に行けないとお嘆きのそこのあなたです!!


そんなあなたにネット生配信がございます!アーカイブなしの生配信なので土日お仕事女の私はノーチャンスですが(泣)ネット配信ならゴリゴリにおすすめ出来る!!!むしろ私の代わりに見といてくれ!!!!!


https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2065765


頼んだぞ!!!!!!!