映画 『流れ星が消えないうちに』

記念すべき最初のレビューを何にするか悩んで、せっかくなら波瑠ちゃんが主役の一本にしたいなと思ってこちらに。

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映画『流れ星が消えないうちに』予告編

映画『流れ星が消えないうちに』公式サイト

公式サイト。流れる星座がきれい。

あらすじ

本山奈緒子(波瑠)は、かつての恋人・加地径一郎(葉山奨之)の事故死の影響から、玄関でしか眠れなくなってしまった。流 れる時間の中、いまでは新しく付き合っている恋人・川嶋巧(入江甚儀)との日常が、奈緒子にはあった。加地の親友であった巧と奈緒子にとって、この現実は 加地に対する裏切りだと感じ、自分を責めていた。二人の時計の針は止まったまま…

ある日、奈緒子の父・本山諒(小市慢太郎)が突然東京にやってきた。本山の転勤 を機に家族は大分に引っ越し、奈緒子は東京で一人暮らしをしていた。「家出をしてきた」という父との二人暮らしが始まる。奈緒子、巧、本山の時間がゆるや かに動き始める。やがて、妹の本山絵里(黒島結菜)が加わり、それぞれが抱える問題が次第に明らかになっていく。

作品情報

製作年:2015年(撮影時:2014年冬(波瑠ちゃん 23歳)
監督:柴山健次
原作:橋本紡『流れ星が消えないうちに』
主な共演者:入江甚儀、葉山奨之、小市慢太郎黒島結菜
他の作品で共演:黒島結菜「ごめんね青春!」/石田えり「結婚同窓会」/西原亜希クロヒョウ」/横田美紀「あさが来た」/百瀬朔「ON 異常犯罪捜査官 藤堂比奈子」

以下、私的なレビューにつきネタバレあります。注意!

 

原作の世界観を重視したキャスティングが嬉しい

 

入江甚儀&葉山奨之、朝ドラヒロイン・波瑠の意外な素顔を告白/2015年11月20日 - 映画 - ニュース - クランクイン!

このインタビューで葉山奨之くんが

本を読んでいる段階で、巧は甚儀で奈緒子は波瑠ちゃんだ!って浮かんだんです。すごいでしょ! キャスティングを聞く前ですよ。それくらいふたりは原作のキャラクターに合ってる。

と興奮気味に語っていたようだけど、分かる。この作品の好きなところはとにかく原作の世界観がちゃんと好きな人が作った映画なんだ、と分かるところで、キャスティングに特にそれが出てる。葉山くんは自分が加地君というのは意外だった、と話しているけれど、彼の出演作品を今まで見たことのなかった私には、彼のビジュアルはとっても”加地君”で一発で気に入りましたぞ!

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奈緒子さん…好き…

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まごうことなき加地君な葉山くん

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こちらもとっても巧くんな入江くん

妹の黒島結菜ちゃんと波瑠ちゃんの姉妹もバランスがすごくいい。きっと小市慢太郎さん演じるお父さんに奈緒子は似ていて、妹はお母さん似なんだろうなとかそんな想像もちゃんと出来る。ナイスキャスティング

個人的にはクロヒョウで共演した西原亜希さんが、また相手役のお姉ちゃんで共演してることが嬉しい!一緒のシーン欲しかったなぁ。弟を持つお姉ちゃんがすっごく似合いますよね、彼女(笑)。

ロングヘアをやめた頃のことを想像すると胸が苦しくなるけど

 

この作品は過去と今の時間軸が幾度となく入れ替わるようにして描かれていく作品なのだけれど、今がどっちなのか全く混乱しない理由は波瑠ちゃんが演じる「奈緒子」の髪の毛の長さ。ロングの奈緒子もショートボブの奈緒子もかわいい。ロングに感じる若干のウィッグ感はしばらく見てるとどうでもよくなるぞ!だってかわいいから!

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こんな子がクラスにいたら叶わない恋の果てに病むでしょ…

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ショート奈緒子さんはお衣装がもこもこしていてかわいい

 加地くんとお付き合いしていた頃の奈緒子さんはシルエットが女の子らしいお洋服を好んで着ていて、巧くんとお付き合いをするようになってからはナチュラルテイストなお洋服を着るようになっているのも映像化にあたっての設定としてうまく出来ている。女の子として特別可愛くありたいと思える存在だった加地くん。体のラインが出ない、暖かなニットやストールを好んで着るようになった奈緒子はいろんなものから自分を守ろうとしているように見えて切ない。

巧くんになりたい?加地君になりたい?

 

この映画って「あー、波瑠ちゃんとお付き合いしたらこんな感じでキャッキャウフフ出来るのかな~」っていう疑似体験出来るところがすごくいいんだよね。実家に人が住んでないのをいいことに彼氏といちゃいちゃしたり、お父さんの目盗んで台所でキスしちゃったり、だれもいない夜道でふらふらおんぶしてみたり。いいよね。とてもいい。正直わたしは男子ふたりともめちゃくちゃ羨ましかった。羨ましすぎて映画館で唇から血が出たからね。噛み締めすぎて。

でも二人のどっちかになっちゃったら…正直心穏やかでいられる自信がない。加地君になんてなっちゃった日には成仏できない。心配しすぎて。強いて言うなら巧くんかもしれない。ああでも奈緒子の心には加地君がいつもいる訳で。

そう思うとやっぱり妹の絵里が安定なのではないかしら。だって一緒にお布団入れるし。お姉ちゃんの作ったご飯食べたいし。

血の繋がりは強い。

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お布団でもぞもぞ戯れる2人の小動物感が愛しい

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どこか頼りないお姉ちゃんとしっかりものの妹。ぽいぽい。でも現実はお互い逆なんだそうだよかわいいね。

 

高校生の奈緒子と巧くんが一緒の画面に収まってることってほぼない。3人がワンフレームに収まってるのは卒業式後に校庭を駆け抜けるこのワンシーンくらい。

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この波瑠ちゃん、一瞬だけど髪がなびいているせいで自然で可愛いのです。是非映像で見てほしい。

こんな風にして一緒にいたんだから、巧くんだって仲よかっただろうに奈緒子の中では加地君の存在が大きすぎて回想の中に巧くんはほとんど出てこない。二人がうまくいくように裏で走り回った巧くんの思い出の中にはもちろん奈緒子がいるけれど、それはあくまでも『加地君の想い人』として認識している。奈緒子視点に巧くんの存在がほぼ出てこないことで加地君の存在のデカさを思い知るつくりになっているんだよね。つらい。

 

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ところで…加地君といる奈緒子さんのじんわり漂う色っぽさ、たまらなくないですか?
「みなさん、さようなら」のベッドシーンは鈍器で頭殴られたような気持ちになったけど(とっても褒めています)、今回のベッドシーンは可愛らしくて微笑ましいやりとりに、あくまでも「そういうことがありましたよー」という表現に留まってた。

けど。

 

なんかそれ以外のシーンにこそ、色気を感じてドキドキしたよ…?

加地君の好物のお刺身を切って出してあげる。加地君が一切れ食べて、奈緒子も一切れ食べさせてもらって…という何気ないシーン。

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ここで現在と過去が交錯するんだけど、わたしはこのシーンになんだかたまらなくなってしまって、毎度息を止めてみてしまう。それはその直前まで見せていた巧くんへの表情とあまりにも違うから、かなと思う。同じ「恋人」なのに相手に向ける目線にこもる熱の温度が加地君に対してはものすごく高い。それはきっと巧くんといる時の自分には、死んでしまった加地君への後ろめたさがあるからで。…そこの変化として付けたそれぞれへの熱の込め方の違いがすごくしっくり来て好きなんだよねぇ。

ひたすら2人の世界にこもってひっついているようにも思える加地君とのシーンに比べて、巧くんとのそういう描写は少なくて見せるのはあくまでもキス止まり(そういうことをやっていないわけではないのはナレーションでわかる)。でもそのキスがどれも可愛くてねえぇ…(キスシーン大好きおばさん)台所でのキスシーンとかホント最高だから!すぐそこにお父さんがいる背徳感!照れて手で口を拭うのもたまらん!!はあ~~最高~~~ あと夜道でふいにキスしちゃうのもめっかわじゃないですか…?背中に手を回してぐっと引き寄せてるのもかわいい…照れくさくなってへらへらしちゃうのもわかるわかるよ~~~あ~~かわいいさいこう~~~すき~~///

 

……一旦落ち着きます。
(この映画のキスシーンがいかに可愛いか、コマ撮りしたキャプ画使って説明してもいいんですけど見てない人のためにやめておきますね、是非映像でご確認ください……)

 

さりげなくて可愛いキスシーンだけじゃなく、どのシーンにしたってそうなんだけど、この映画は嘘がない作りなのがすごくいい。真っ当すぎて華がないと言われるかもしれない。それでも人の生活ってきっとこんな感じ。大事な人が死んでしまっても、残酷に正確に明日は来るし、残された人は引きずったり少しずつ忘れたり新しく始めたりしながら生きていかなきゃいけない。

この映画が描く、その真っ当さはなんだか波瑠ちゃんの実直さを思い出させるような気がして、まさにこの映画の主役にふさわしいなあなんて思ったりしました。

 

私的好きポイント

 

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劇中のフォークダンスは一般の生徒さんたちに協力してもらって撮影をしたとのこと。ということはこの世界には波瑠ちゃんとフォークダンスをした男子高校生がいるということですよ。ひぇーーー。うらやましすぎるーー

 

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ロング波瑠ちゃんの中で一番好きなカット。
やっぱりロングかわいいよなぁ。また伸ばしてくれないかなぁ。

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玄関先の眠り姫。どこか不安げで心許ない表情をさせたら最強だと思ってる。

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         /ひざカックン★\

 

波瑠ちゃん堪能度 ★★★★★ 

(注:作品の良し悪しではありません)